航空情報にYURI-Iの資料提供のお願いが掲載されています
■人力ヘリコプター「YURI-I」に関する資料提供について(お願い)
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館では、吉川俊明氏をはじめとする「アクティブギャルズ」の皆様のご協力を得て、史上初めて完全浮上した人力ヘリコプター「YURI-I」の調査・保存に取り組んでおります。
この機会に、関連の資料・情報も収集・保存したいと考えておりますので、YURI-Iに関する技術資料や写真映像などをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご提供ください。ご理解とご協力をお願いいたします。
【問い合わせ先】
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(担当:学芸課 水野・柴田)
以下はボランティアスタッフにより19日、20日に行われた修復の個人的な記録です
今月参加した修復はフレームとブレードに分かれての作業。私はフレームに関する作業を行った。
今回の修復はできるだけフライト当時に近い形で保存することを目的とする。フレームは歪んだ箇所を取り外し新しいものに交換する方針となった。
フレームの修理
使用した材料や道具
アルミパイプ、接着剤、パイプカッター、通常形状のカッター、ニッパー、ものさし、ペンチ、ガムテープ、マスキングテープ、油性ペン、紙やすり、新聞紙
思い出せる限りのものを書きました
1. フレームの調査
1.1 接合部
収蔵後に修理されたと考えられる箇所のエポキシを削る、テープを外すなどして内部の確認を行った。
エポキシを削ったら麻紐が出てきた
アルミテープを剥がしたところ金属板で補強されていた
1.2 フレームの変形箇所
アルミパイプに定規を各方向から当て、歪んでいる箇所を探す。
変形箇所には新しいアルミパイプをつぎ足して交換する。このとき応力のかかり方と接着剤の硬化時間を考慮し、同じフレームの作業を行うときはなるべく間隔を空ける。
2.変形箇所をカット
変形部分から外側に20mmの箇所(写真中の白いマスキングテープで示した位置)でパイプカッターを使い切断。
切り取ったパイプには元々どの位置にあったものか分かるように印を付ける。
このあと接着剤を使用するため、カットした部位から両側50mmまでの範囲(写真中の黄色いマスキングテープで示した位置)にやすりがけを行う。
3.パイプを継ぐ
3.1 継ぐパイプの準備
オリジナルのパイプより一回り大きいパイプを準備していただいた。
あらかじめ必要な長さにカットし、バリ取りなどを行う。
3.2 パイプ径の調整
オリジナルのパイプの外径と継ぐパイプの内径に差があるので、その隙間を埋める。
最初はガムテープを巻いていたが、テープが剥がれてしまうためパイプ先端部を潰して調整する方針へ変更した。
3.3 接着剤を塗布
接着箇所の下に新聞紙を引き、カットした部位から50mmまでの範囲に接着剤を塗る
手袋を使用して塗っていたので写真撮影しそびれた
3.4 パイプを接続
パイプを上下に動かして差し込み、固定する。
あふれた接着剤はこの時点で綺麗にふき取る。
3.5 接着剤が硬化するまで固定
ちょうどよい冶具がないため人間の手で固定を行った。
収蔵庫内の気温が低かったが、ドライヤーの温風を当てることにより硬化までの時間を短縮できた。
以上の工程を6箇所に行った。
ブレードの修理
プランクの凹んだ箇所にパテを盛ったり削ったりやすりをかけたりしていたようです
よく見るとプランクの色が違う箇所が写真でもわかる
2018年12月の修復