縁あって空宙博収蔵の人力ヘリコプター、YURI-Ⅰの修繕に少々関わっています。
所用*1にてここ数カ月は向かえなかったのですが、ようやく行くことができました。
※空宙博の方から掲載許可を頂いております
YURI-Ⅰとは
日本大学の内藤晃先生によって設計された人力ヘリコプター。
4つのロータの中心にパイロットが乗る形状である。
1993年12月5日に世界初の浮上を達成し、1994年3月7日に日本航空協会の公式試験にて未公認ではあるが滞空時間の世界記録を達成した。滞空時間19.46秒(参考記録)。
現在はかかみがはら航空宇宙博物館に収蔵されている。
Human Powered Helicopter YURI-I 1994
12/16の修復作業
この日は収蔵庫の天井から事前に降ろされたYURI-Ⅰのフレームを分解しました
まずワイヤーの取り外しが行われたのですが、なんと私は遅刻です。当日の朝起きたらメガネが見つかりませんでした。その節はすみませんでした。
フレームとキャビンの分解が行われているあたりでようやく収蔵庫に到着しました。
収蔵庫内は寒いのでダウンジャケットを着込んで向かいました。
今回の修復は90年代当時の状態を再現することを目標としています。
フレームとキャビンの分解
中央から4方向に延びたフレームを人の力で支え、ボルトを外し解体する人海戦術。
板も使って保持を行います。フレームに結ばれました。
保持者は一つのフレームにつき2~3名。かかる力を考えてトラス付近を持つ。
私は絵が下手なのですが、イメージ図を書きました。
上から見るとフレームの保持者の配置はこんな感じ。
この図で伝われば幸いです。
ねじれ対策のためトラス形状のフレームの上下に手をかけて保持を行います。
さて、気を取り直していきましょう。
いくつかの箇所にたくさん盛られたエポキシ樹脂はおそらく後付けされたもの?
鋭利な箇所がありうっかり手を怪我しそうになった。軍手を持っていけばよかった。
フレームを外す
フレーム上部も同様に固定されているためそちらの分解作業風景。
わかりづらいですが、4本のフレームのうち1本を解体した時点です。
フレームの移動と固定
キャスター付きのフレーム台に移動し保管されました
ローターの端を見落としてぶつからないよう目印にマステを貼ってあります(写真右下)
そう、人力飛行機のワイヤのように。
だいたいiPhoneで撮影しましたがこの写真は一眼で撮ったので色味が違います。
パイプ径の測定や内部構造の確認
パイプの外径や内径の測定、巻かれているテープの内部の確認などを行います。
私は主にテープを剥がしていました
年月がだいぶ経っているので剥がすのがなかなか難しい
この箇所は木がつぎ足されていました
また別の箇所には添木がありました
GFRPを黒く塗ってCFRPっぽく見せる手法がありますよね。あれみたいなものでしょうか。
この日の作業は以上のような内容でした。
作業風景以外の写真
ブレードです
内部はこんな感じ
←前縁 後縁→
見てください、この美しいトラス構造……
ハーフサイズカメラで撮影した写真をトリミングせずそのまま掲載します
テンショナーです
浮いてる……
帰りのバスまで時間があったので空宙博のカフェを利用しました
クリームソーダです
ラムネは先に食べないと沈んで回収が難しくなります
今回フィルムカメラで最もよく撮れた写真です
また次回バスを待つ間になにか食べようと思います
参考文献
2019年1月の修復
*1:姪っ子が生まれました